最初に揃えるのは、同じ条件の費用内訳
直近の確定した1か月について、Google Cloud全体の費用とサービス別の内訳を確認します。前月と比べるときは、対象プロジェクト・期間・通貨・割引の扱いを揃えます。月の途中の金額を、前月1か月分とそのまま比べないことも大切です。
Cloud Billingのレポートでは、期間を指定し、サービス・プロジェクト・SKUなどの単位で集計できます。まずサービス単位で増減を見てから、増えた項目の内訳へ進むと調査を広げすぎずに済みます。Google公式:請求レポートの使い方
- 金額の基準
- 利用期間、税込・税抜、割引・クレジットを含むか
- 比較する利用量
- リクエスト数、契約数、処理ジョブ数など、事業に合う指標
- その月の変更
- 新機能、環境追加、大量データ処理、割引の終了など
売上や利用者が増えて費用も増えている場合、月額総額だけでは効率の悪化を判断できません。「1契約あたり」「1処理あたり」の費用も、総額と並べて見ます。
費用が大きいサービスから、確認する問いを決める
費用の大きさは調査の出発点です。そこから、変更できる範囲と守るべき要件を合わせて考えます。費用が一番大きいサービスに、一番大きな削減余地があるとは限りません。
| 対象 | 最初の問い | 一緒に確認する条件 |
|---|---|---|
| Cloud SQL | 構成は、ピーク時の負荷に合っているか | CPU・メモリ、接続数、応答時間、可用性 |
| BigQuery | 処理量と実行頻度のどちらが増えたか | 課金方式、ジョブ、集計の更新期限 |
| Cloud Run | 待機や稼働の設定は利用実態に合うか | 最小インスタンス、課金方式、起動遅延 |
| Cloud Logging | 必要なログと、重複・過剰な出力を区別できるか | 保存先、ルーティング、監査・障害調査での用途 |
Cloud Runの最小インスタンスは、リクエストがない時間もインスタンスを維持する設定です。起動待ちを抑える役割があるため、単に0へ変える前に、許容できる遅延と課金方式を確認します。Google公式:最小インスタンス
Loggingでは、ログの保存先へ振り分けるシンクとフィルタを確認します。除外する前に、同じログを使う監視・監査・障害調査への影響を確かめます。ログを消してから用途を調べる順番にはしません。Google公式:ログのルーティング
Cloud SQLとBigQueryについては、Cloud SQLの見直し手順とBigQueryの費用増加の調べ方で詳しく説明しています。
改善案には、金額・根拠・影響を一緒に載せる
「小さくする」「処理を減らす」だけでは、実施する判断ができません。変更前の状態と、変更後に想定する利用量を同じ条件で比べ、どこから試算したかを残します。
- 対象を限定する本番か検証か、どのジョブ・インスタンス・設定かを特定します。
- 試算の前提を書く確認した課金量・単価・割引・適用期間を明示します。確約済みの費用がすぐ減るかも確認します。
- 実施と取り消しの条件を決める性能、集計結果、可用性について合格条件を決め、戻す方法も用意します。
クラウドスリムでは、この内容を改善提案にまとめ、合意した施策をPRにします。BigQueryの改善提案・レポート見本では、試算から検証・ロールバックまでの構成を確認できます。
反映後は、請求の差額と施策の効果を分けて確かめる
変更前後の請求額の差には、利用量や割引、他の担当者が行った変更も含まれます。施策の効果を見る際は、対象リソースの利用量と実効単価を確認し、比較条件を揃えます。
クラウドスリムでは、原則として変更前後30日を比較します。繁忙期やリリースなどで条件が違う場合は、その影響を確認して削減額を合意します。月額費用の自己申告だけから、削減率や金額を決めることはありません。
社内で用意するものと、任せられること
最初の相談に、クラウドの閲覧権限やソースコードは不要です。月額費用、利用サービス、困っていることが分かれば、調査の対象を話し合えます。
- お客様
- 必要な情報の共有、業務・性能の要件確認、提案とPRのレビュー、本番反映
- クラウドスリム
- 診断、改善方法と削減見込み額の提案、改善PR、テスト・復旧手順、反映後の効果確認
主な対象は、Google Cloudを月額100万〜300万円利用するSaaS・Webサービス企業です。詳細診断でお預かりする情報と権限は、NDAと利用範囲の合意後に決めます。
この記事は費用を見直すための確認手順です。個別の構成・契約・性能要件によって、実施できる変更と効果は異なります。製品の仕様や価格は、本文中のGoogle公式資料で最新の内容をご確認ください。
